フリーターと就職事情

フリーターという言葉は、1980年代に生まれ景気がよかった当時の世相を反映していたかもしれません。

24時間営業のコンビニチェーンの急増や、建設ラッシュに伴う建設業界の人手不足によって、夜間勤務や肉体労働に従事する事のできるフリーの労働力が求められていました。

就職先には困らなかったために、生活の安定より自己実現を優先してアルバイト生活を送っても、問題なく生計を立てることが可能だったのです。

その後にバブル経済期が終了し、景気の低迷期に入るとアルバイトは一層使われるようになりました。企業の業績が悪化したため、正社員を採らずアルバイトを活用するようになたからです。

就職活動がうまくいかずに正社員の口が見つからない若者が出現したのは、業績が急落した企業が新規採用を大きく減らしたためでした。

結果的に、正社員を臨んでいながらもアルバイトやパートの仕事をしなければならないという人が出てきています。

バブル期のフリーターは約62万人。これは厚生労働省の定義に基づく調査結果によるものです。バブル期以降、フリーターは急増し2003年には217万人に達すまでになりました。

フリーターの総人口が急増した事は、企業側の要因が大きな影響を及ぼしています。正社員を新しく採用せず、パートや派遣を用いて人件費を削りながら労働力を確保することが、経済情勢悪化への企業側の対応でした。

正社員についても、新卒よりも訓練する必要が無く、即戦力となる中途採用を増やす動きもありました。

正社員を希望して熱心に就職活動を続けていても、経済活動の低下に伴い採用の動きが変化したことによって、正規雇用につくことが困難になっています。