転職のリスクと成功例

転職で神奈川県在住のM子さんは、都内の有名私立大学を卒業し、メーカーに就職し90年代半ばから約10年続いた就職氷河期の悲哀をかみしめた一人だ。

M子さんの夢は20代で結婚し退職することなので、厳しい就職戦線の中でも一般職を選びました。ところが入社3年目で金融破綻の影響で会社が外資系企業に買収されてしまったのだ。 外資系企業から「一般職はいらない。総合職になるか、辞めるか。どっち?」 と人事の担当者に選択を迫られ、バリバリ働くのは嫌なので退職し、地元で金融会社の派遣社員になりました。 いま30歳を過ぎて気づいたことは「同年代の女性の正社員と比べて、けっこう仕事をこなせるし、働くことが嫌いじゃないと思い始めた」。

先月、少し年上の女性総合職が早めの産休をとったために、しわ寄せがM子さんにきたときに、正社員は恵まれているとあらためて思った。結婚とは当分縁がなさそうだと、悟った最近、ようやく本気で正社員の道を探り始めました。

学生の就職活動から転職、再就職など数多くの女性の就職にアドバイスをしてきた「ハナマルキャリアコンサルタント」はそんなM子さんのような女性にエールを送っている。「新卒が売り手市場ならば、ビジネス経験がある派遣や、転職希望者にとっても売り手市場。氷河期入社組にもチャンスです」 といっています。

ハナマルキャリアコンサルタントは、もし30代で独身だったら、この好機に生涯独身でいるキャリア設計もしておいたほうがいいと、アドバイスしています。厚生労働省によりますと、新たな仕事に就く人のうち、直前の1年間、就業経験がある「転職入職者」が働く人全体に占める割合の「転職入職率」は、2005年で11.0%と増加傾向ですし、06年でも10.4%と、ここ3年間は転職入職率も高水準を維持しているので、転職者の雇用状況も好調です。といっています。