転職・起業時に自らルールを作る

 転職や起業をする時は、それまでに培ってきた人間関係を新しい仕事に上手につなげられるかは、その後の仕事の成否を左右します。前の職場との“ケンカ別れ”や、なりふり構わない人脈活用はもってのほかです。実利優先のビジネスの世界とはいっても、やはり血の通った人間関係作りが大切です。(月野美帆子)

 オリックス日本橋支店で法人営業を担当する田中里奈さん(27)は、2年ほど前に中堅証券会社から転職しました。証券会社時代は入社3年目で社長賞を取り、今の職場でも転職後1年ほどでMVP賞を受賞しました。

 金融業界で活躍する田中さんは、人間関係では謙虚な姿勢を心がけているとのことです。「前の職場の仕事を奪うような営業はしないようにしています。逆に前職時代に懇意にしていただいた企業様でも、今の職場に担当者がいれば、接触しないことにしています」と話してくれました。

 同じ業界で働き続ける上で、人のつながりを大切にしないと、結果として自分の首を絞めることになります。

 大手出版社の雑誌編集部で約6年間働いた経験を生かして、3年前に編集プロダクション「ステップ・ワイズ」を作った臼井美伸(みのぶ)さん(41)も「以前担当していた雑誌のライバル誌からは、仕事を受けない」など、自分なりのルールを設けています。なりふり構わない仕事をすれば、業界内に評判がすぐ広がってしまいます。